鈴木サキソフォンスクール創業秘話③

前回までのブログ「鈴木サキソフォンスクール創業秘話①」、「鈴木サキソフォンスクール創業秘話②」に引き続いて、株式会社マナブミュージックが運営する、サックス専門音楽教室、鈴木サキソフォンスクールの立ち上げ時のお話を紹介したいと思います。

 

サックス専門のスクールという、前例がない音楽教室を立ち上げようとする中で、レッスンシステムその他、独自の運営スタイルを創り上げていく過程を明かしましょう。

演奏活動を続けたい!

音楽教室を立ち上げようとはいうものの、私、鈴木学は現役のジャズサックスサクソフォン)、フルートプレーヤーとしての活動も、並行して継続したいと考えました。もちろん、教室でのレッスンが生活上最優先となるのですが、それでも現役のプレイヤーとしての感覚を持ち続けることが、レッスンにとってもよい影響があるに違いないと考えたのです。

当時、ほとんどの音楽教室は、レッスン時間を曜日と時間で固定したシステムとなっていました。つまり、生徒の立場から言えば、毎週、同じ曜日と時間に教室に向かい。レッスンを受講するという事となります。

実はこのシステムは、教える立場、講師の立場からしても、毎週同じ時間にレッスンをしなければいけない、その時間は自由が利かないという事になってしまいます。社会人の生徒様ならば、レッスンのご希望はたいてい、夕方から夜です。そして、ジャズプレイヤーの演奏活動も、主に夕方から夜にかけてとなるので、レッスンを曜日と時間で固定する、従来のシステムでは、演奏活動が続け辛くなってしまうのです。

そのように考えた結果、現在の鈴木サキソフォンスクールの方法、毎回次回のレッスン時間を予約していただく、フレキシブルなレッスン予約システムを思いつきました。これならば、あらかじめ私の演奏予定が入っている日時を避けて、生徒様にご予約いただければよいので、演奏活動は継続できます。

月謝制の必要が無い

フレックス予約制を採用したことで、生徒様の来校頻度についても、柔軟に考えることが可能となりました。

 

生徒様の上達のためという点からは、月二回(1レッスン1時間)来校いただくのがベストと考え、お勧めしているのですが、中には様々なご事情から、月2回の来校が難しい方もいらっしゃいます。反対にそれ以上の回数、来校をご希望される方もいらっしゃいます。そういった様々なご希望に柔軟に対応することができるようになったのです。

こうなると、一般的な音楽教室の謝礼のしきたり「月謝」という考えも、意味を持たないように思えてきました。だって、毎月何回来校いただくか、完全には決まっていないのに「毎月いくら」でお支払いいただくのは奇妙な話です。だからこそ、鈴木サキソフォンスクールでは、毎回のレッスン終了時に現金で一回分のレッスン料をお支払いいただくシステムとしました。

大手の大規模音楽教室の場合ならば、お金の関係を、各店舗をまたいで統括するシステムを構築する方が効率的でしょう。しかし、個人の音楽教室ならば、「月謝で振り込み」では、むしろ効率が悪いのです。毎月一定の時期になると毎日、銀行の口座で誰からの入金があったか確認し、未払いの生徒様に対応し・・、考えただけでぞっとします。

生徒様にとって便利に・・

フレックス予約制、毎回払い」、もともとは私が演奏活動を続けることを目的として考え出したシステムです。しかし、実際に教室を運営してみると、これが鈴木サキソフォンスクールにとっての最高の「売り」になりました。このシステムが魅力で来校いただいている生徒様が、非常に多いのです。

普段から忙しく働いている社会人の方にとって、毎週同じ時間に教室に通うのは容易ではありません。ほとんどのかたにとって、仕事の予定よりも趣味の時間を優先して決めることは困難でしょう。まず仕事があっての趣味なのです。実際、鈴木サキソフォンスクールには、看護師等、シフト制の職場で働く方が大勢、通っていらっしゃいます

毎回払いについても、まずは生徒様にとって、これ以上ない「明朗会計」となります。月謝となっているとどうしても、この月は予定回数のレッスン受講が叶わなかった、という事態が生じます。毎回払いであれば、それは起こりえません。教室側にとっても「謝礼をいただき損ねる」という残念な事態にならずに済みます(これは、一般的な音楽教室にとって、意外に大きな問題なのです)。

自らにとって不利益となるのであれば、大手が採用している運営システムのとおりにする必要はありません。むしろ、自らの環境、置かれた状況に応じたシステムにしていくことで、かえって生徒様にとって利便性が高い音楽教室になる可能性は大いにあるのです。加えて大手と差別化することも可能となります。

それでは今回はこのぐらいにして、続きは次回のブログで・・。皆様是非参考にしてくださいませ。

音楽教室経営に加えて、自らが音楽家としてどのような活動をしていきたいか、考えてみよう!それを実現するために工夫することが、教室の独自性を生み出す。